
ノベルティのロゴデータは何を用意する?名入れ入稿とAIデータがない場合の対処
ノベルティの名入れ印刷に必要なロゴデータの形式(AI・EPS・PDF・画像)の違いや、AIデータがないときの社内外の探し方、制作会社への相談・入稿前チェック項目を解説します。

社内イベントや限定セミナー、周年記念などで「30個だけ」「100個だけ」オリジナルノベルティを作りたい場面は少なくありません。
しかし、数量がまとまる大ロット発注と比べると、費用構造や選べる加工方法、納期感に大きな違いが存在します。
この記事では、少量のノベルティ制作を検討している担当者に向けて、単価が高くなる仕組み、何個から作れるかの前提、向いている商品と向いていない商品の見分け方、印刷方式による例外、見積や追加発注の実務ポイントを一般論に基づいて整理します。
※本記事で紹介する条件・単価・納期・仕様は、業界における一般的な傾向および計算モデルです。制作会社や製品ごとの実際の対応条件・見積・在庫状況は個別にご確認ください。
関連記事初めてノベルティ担当になったら何から始める?失敗しない進め方と社内調整・発注の完全ガイド上司から突然ノベルティ担当を任されて焦っている方へ。商品選びの前に社内で確認すべき前提条件や、失敗しない発注スケジュール、制作会社への見積依頼、次回を楽にする引き継ぎまで、初心者に寄り添って分かりやすく解説します。小ロット発注で最も理解しておくべきなのは費用の仕組みです。小ロット最大のデメリットは、「数量が少なくなるほど、1個あたりの実質単価が高くなりやすい」点にあります。
ノベルティ制作の見積は、大きく「変動費」と「固定費」で構成されています。
固定費は、少数であってもまとまった数量であっても基本的に定額で発生します。そのため、発注数量が少ないほど1個あたりに割り振られる固定費の負担額(按分額)が大きくなり、実質単価を大きく押し上げます。
固定費がどのように単価へ影響するのか、仮定のモデルで比較します。
※以下の数値は固定費の按分構造を説明するための仮定の試算例であり、特定商品の見積金額ではありません。
| 発注数量 | 変動費合計 (300円×数量) | 固定費合計 (版代+送料) | 発注総額 (税抜) | 1個あたりの固定費負担額 | 1個あたりの実質単価 |
|---|---|---|---|---|---|
| 30個 | 9,000円 | 16,500円 | 25,500円 | 550円 | 850円 |
| 100個 | 30,000円 | 16,500円 | 46,500円 | 165円 | 465円 |
| 300個 | 90,000円 | 16,500円 | 106,500円 | 55円 | 355円 |
| 1,000個 | 300,000円 | 16,500円 | 316,500円 | 16.5円 | 316.5円 |
変動費(300円)が同じでも、30個発注時の実質単価(850円)は1,000個発注時(約317円)と比べて2.5倍以上に跳ね上がります。「本体価格300円なら30個で1万円程度」と考えていると、見積とのギャップが生じやすくなります。
単価を下げる目的だけで余分に発注することにはリスクがあります。
単価の数値だけでなく、「最終的な総支出」と「余剰リスク」のバランスを考慮して判断することが大切です。
関連記事ノベルティの予算はどう決める?見積費目と比較のポイント商品代だけで決めないノベルティ予算の考え方。見積で確認したい費目と依頼条件を整理します。ノベルティを少量で作りたいとき、確認しておきたいのが制作方式ごとの最小発注数量(MOQ)の考え方です。
Webサイトやカタログで「小ロット対応」と記載されていても、何個から対応できるかは一律ではありません。1点から作れるオンデマンド製品もあれば、工場のライン都合でまとまった数量を起点とするアイテムもあります。
制作可否は、商品本体の供給単位(メーカーの出荷単位)と、印刷設備の稼働条件(製版やセットアップの要件)の組み合わせで決まります。まずは企画段階で必要な実数を定めたうえで、対応可能な加工方式を探すのが現実的です。
ノベルティの手配方法は大きく3つに分かれ、それぞれ最小数量の条件が異なります。
| 区分 | 制作内容 | 最小数量の傾向 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 名入れなし(無地手配) | 既製品を印刷加工せずそのまま仕入れる | 数個〜メーカー出荷単位 | 加工工程がないため極少数でも手配しやすいが、社名やロゴは入らない。 |
| 既製品への名入れ | 流通している既存商品にロゴ等を後印刷する | 商品や印刷設備の条件による | 法人ノベルティの主流。商品の出荷単位や印刷方式により最小数量が変動する。 |
| 完全特注(別製・OEM) | 素材選定や金型成型、縫製からゼロで製造する | まとまった生産数量が必要(仕様による) | 形状や色を完全オリジナルにできるが、小ロットでの制作は製造ラインの制約上困難または割高。 |
少量の社名入りノベルティを手配する場合、基本的には「既製品への名入れ」を選択することになります。
小ロット制作を検討する際は、少量の加工ラインや流通体制が整っている既製品カテゴリを選ぶのが現実的です。
製造工程の都合上、小ロットでの制作に向いていない(または割高になりすぎる)商品もあります。
選ぶ「印刷方式」や「加工工程」によって、小ロットでの向き不向きや見積金額は大きく変わります。
| 印刷方式 | 版代の有無 | 色数・表現 | 小ロットでの傾向 | 特徴と注意点 |
|---|---|---|---|---|
| シルクスクリーン印刷 | あり (1色ごとに1版) | 単色〜数色 (特色指定可) | 数量・色数による | 均一でシャープな仕上がり。色数分の版代が発生するため、小ロット多色は割高になりやすい。単色刷りが基本とされるが、極少数の場合は版不要の方式のほうが総額を抑えられる場合もある。 |
| パッド印刷 | あり (1色ごとに1版) | 単色〜数色 | 数量・色数による | ペンの軸や曲面・凹凸面への印刷に適する。シルクスクリーン同様に版代が発生する。 |
| インクジェット印刷 (UV / ダイレクト) | なし (製版不要) | フルカラー (写真・グラデーション可) | 少量向き | デジタルデータから直接印刷するため版代がかからない。ただし製版が不要でもデータ調整費や基本設定費が別途発生する場合がある。 |
| レーザー彫刻・刻印 | なし (製版不要) | 素材の下地色 | 少量向き | レーザー照射で表面を削り下地を露出させる加工。版代不要で耐久性が高い。インクで着色するわけではないため、発色は素材(金属地・木目等)に依存する。 |
| 熱転写・オンデマンド転写 | なし〜安価 | フルカラー | 少量向き | 転写シートを熱圧着する。布製品等のフルカラー表現に向くが、デザイン輪郭にフチが生じる場合がある。 |
印刷方式は商品本体の素材や形状によって対応できる選択肢が決まります。カタログ等で対象商品の対応加工方法を確認して検討しましょう。
数量が少なくても、名入れ加工を伴う場合は大ロットと同様の基本工程を踏む必要があります。実務上の主な確認ポイントを整理します。
数量が少なくても、印刷加工を行う準備工程は変わりません。
機械を稼働させる段取りは少量でも発生するため、作業日数が極端に短縮されるとは限りません。工場の稼働状況や在庫の移動日数に左右されるため、スケジュールには余裕を持って進行する必要があります。
関連記事ノベルティはいつ発注する?使用日から逆算する準備の進め方イベントで使うノベルティの準備を、社内確認から製造・配送・検品まで逆算して整理します。小ロット制作は既存の流通在庫を取り寄せて加工するケースが多いため、メーカー側の在庫が切れていると手配できません。
特に年度末や展示会シーズンは特定商品の在庫変動が激しくなります。候補アイテムが決まったら、見積の段階で在庫状況や確保の可否を確認しておくと安心です。
量産前に実物サンプルを1個確認する「現物校正」は、少数案件であっても量産と同等のセットアップ作業が発生するため、別途の校正費用と追加の日数がかかります。
そのため、少量の発注では画面上で仕上がりイメージを確認する「PDFデータ校正」で進行するのが一般的です。
名入れ印刷では、輪郭を忠実に再現できるAdobe Illustrator形式(.ai・アウトライン化済み)のベクターデータが推奨されるケースが一般的です。
PNGやJPEGなどの画像データは解像度や印刷方式によって対応可否が分かれ、粗い画像の場合はトレース作業やデータ調整費が発生することもあります。利用可能なデータ形式を事前に確認しておきましょう。
スムーズに見積を取得するための項目と、後から同じものを追加発注(増刷・リピート)する際の注意点を整理します。
問い合わせ時に以下の要件をまとめて伝えると、手戻りなく見積と納期を確認しやすくなります。
件名:【見積依頼】ノベルティ制作について(貴社名・ご担当者名)
株式会社〇〇
ご担当者様
お世話になっております。株式会社〇〇の(氏名)と申します。
イベントで配布するノベルティの制作を検討しており、
小ロットでの対応可否およびお見積りをご教示いただきたく存じます。
■ 見積条件
1. 希望商品:〇〇(商品名・品番、または希望カテゴリ)
2. 希望数量:50個(数量別の価格帯があれば30個・100個も希望)
3. 名入れ仕様:
・印刷箇所:本体正面 1箇所
・印刷色数:1色印刷(またはフルカラー希望)
・入稿データ形式:Illustrator(.ai形式/アウトライン済)あり
4. 納品形態:個別OPP袋入れ希望
5. 希望納期:202X年〇月〇日必着(使用日:〇月〇日)
6. 納品場所:東京都〇〇区(自社オフィスへ一括納品)
7. 予算総額感:総額〇〇万円以内を希望
御見積書と出荷可能スケジュールをご提示いただけますと幸いです。
よろしくお願い申し上げます。
「まず少数を作り、必要に応じて追加発注する」と計画している場合、以下の点を確認しておく必要があります。
小ロット制作に関してよくある疑問をまとめました。
A. アイテムと印刷手法を選べば制作可能です。
UVインクジェット対応のアクリルグッズやモバイル小物、レーザー彫刻対応のタンブラー、オンデマンド印刷のマグカップや文具などであれば、極少部数から対応している事業者があります。ただし基本手数料や送料が乗るため、1個あたりの単価は割高になります。
A. インクジェット印刷やオンデマンド転写対応のアイテムを選べば対応しやすいです。
有版印刷(シルクスクリーン等)で色数を増やすと版代が色数分加算されて費用がかさみますが、版を必要としないインクジェット印刷であれば、写真や多色デザインでも固定費を抑えて手配できます。
A. 印刷デザインが同一であれば対応できる場合がありますが、確認が必要です。
商品の出荷入数単位や機械セッティングの都合により、本体カラーごとに最小ロットが設定されていたり、インク色替えの手数料が発生したりすることがあります。見積依頼時に内訳を明記して確認しましょう。
A. 名入れ仕様の簡素化とパッケージの工夫が効果的です。
小ロットのノベルティ制作を成功させるポイントをまとめます。
ノベルティ制作の実務を進めるにあたり、以下のガイドもあわせてご参照ください。
関連記事名入れと別製・OEMの違い|ノベルティの作り方を選ぶ既製品への名入れと仕様から作る別製・OEMの違いを、数量・日程・希望仕様から考えます。どんなアイテムがあるか探してみたい方
カテゴリ別の仕様やアイテムラインナップは 取り扱い商品一覧(WEBカタログ) よりご覧いただけます。
希望の数量・納期・予算で制作できるか相談したい方
「30個だけ作りたいが予算内に収まるか」「この日程までに間に合うアイテムを提案してほしい」といったご要望は、ノベルティ・販促品制作のご相談窓口 よりお問い合わせください。条件に合わせた進行やアイテム選びをご相談いただけます。
エコーマインド株式会社 企画販売部
文具商社エコーマインド株式会社で、ノベルティ・オリジナル企画品を専門に扱う部門です。
文具・販促品の取り扱い経験と法人向けの企画提案ノウハウをもとに、企業の販促・広報・総務担当者に向けた商品選びや制作に関する情報を監修しています。