
ノベルティの印刷方法を比較|シルク・パッド・インクジェットの違いと選び方
ノベルティの名入れ印刷を検討する方向けに、シルクスクリーンやパッド、インクジェット、転写など主な印刷方法の違いを比較。素材や形状、デザインの色数、数量に合わせた選び方と失敗しない確認ポイントを解説します。

上司や先輩から突然、「次の展示会で配るノベルティ、何かいい感じのやつ見つくろっておいて」「今年度の周年記念品の手配、よろしくね」と頼まれて、何から手をつけていいか分からず焦っていませんか?
「ノベルティなんて発注したことがない…」
「どんなスケジュールで動けばいいの?」
「もし失敗して納期に間に合わなかったらどうしよう…」
そんな不安を抱えてしまうのも無理はありません。ノベルティ制作は、企画・予算・社内調整・デザイン・業者とのやり取りなど、考えることが意外と多くて大変な仕事です。
でも、どうぞご安心ください。
初めてのノベルティ担当者がやってしまいがちな最大の失敗は、焦ってすぐに「ノベルティ おすすめ」と検索し、商品のカタログや人気ランキングを眺め始めてしまうことです。
実は、ノベルティ制作において「商品選び」は後半のステップ。一番大切で、失敗や手戻りを防ぐ最大のポイントは、商品を選ぶ前に「社内の前提条件」をしっかり揃えておくことなんです。
この記事では、初めてノベルティ担当を任された方が安心して仕事を前に進められるよう、企画から社内調整、見積依頼、納品、そして次回に喜ばれる引き継ぎまで、分かりやすく丁寧にガイドします。
ノベルティ作りで最初にやるべきことは、カタログを開くことではなく、「なぜ作るのか(目的)」「誰に配るのか(ターゲット)」「配ったあとにどうしてほしいのか(ゴール)」の3つを言葉にすることです。
ここが曖昧なまま「なんとなく人気そうだから」とペンやエコバッグを選んでしまうと、上司から「これ、うちが配る意味あるの?」「よくあるやつだよね」と差し戻されてしまいます。
ノベルティを配ることで、会社として何を達成したいのかをはっきりさせましょう。
受け取る相手がどのような人かによって、喜ばれるアイテムはガラリと変わります。
「配って終わり」ではなく、受け取った相手にどんな行動をとってほしいかまで考えておくと、企画の説得力が一気に上がります。
目的がイメージできたら、次は社内の関係者と条件をすり合わせるステップです。
ノベルティ制作でよくあるトラブル(納期遅れ、予算オーバー、デザインのやり直し)の9割は、この社内確認を後回しにしたことで起こります。以下の6項目を事前に押さえておきましょう。

「1個あたりいくら」という単価だけでなく、「送料・印刷代・消費税を含めた総額予算」がいくらまで出せるのかを確認します。また、その費用は依頼元の部署が持つのか、広報や総務の販促費から出すのかも事前にクリアにしておきましょう。
納期のデッドラインを「イベント開催日」にしてはいけません。 届いた荷物を開けて中身を検品したり、案内チラシと一緒に袋詰めしたり、会場へ事前に発送したりする作業日数を考慮して、「イベントの数日〜1週間前には手元に届いている状態(社内必着日)」を基準にスケジュールを組みましょう。
関連記事ノベルティはいつ発注する?使用日から逆算する準備の進め方イベントで使うノベルティの準備を、社内確認から製造・配送・検品まで逆算して整理します。必要な個数を割り出す際、「予備を用意すべきかどうか」も考えておきましょう。
「去年は何を作ったのか」「どの業者に頼んで、いくらかかったのか」「評判はどうだったか」を社内の先輩や総務に聞いてみましょう。前回の発注データや見積書が残っていれば、スケジュールや価格の大きな目安になります。また、会社の倉庫に前回の余りが眠っていないかも必ずチェックしてください。
名入れ印刷をする場合、ほとんどの制作会社でIllustrator(イラストレーター、拡張子 .ai)のアウトラインデータが必要になります。Webサイトからコピーした画像(PNGやJPEG)や、エクセル・ワードに貼った画像では印刷用の版が作れないケースが多いため、早めに広報やデザイン部門に「ロゴのベクターデータはどこにありますか?」と確認しておきましょう。
見積書を取った後、社内稟議や上司の承認に何日くらいかかりそうか把握しておきます。承認待ちで数日間止まってしまい、発注期限を過ぎてしまうのは初心者が最も陥りやすい落とし穴です。
上司や依頼元の部署に確認する際は、以下のテキストをコピーして、SlackやTeams、メールで送ってみてください。必要な条件が漏れなく集まります。
お疲れ様です。[氏名]です。
ご相談いただいたノベルティ制作を進めるにあたり、
条件の食い違いを防ぐため、以下の項目についてご希望を教えていただけますでしょうか。
1. 施策・イベント名:
2. 配布の目的:(例:展示会での名刺獲得、商談のお礼、採用認知など)
3. 主な配布相手:(例:来場した企業担当者、就活生、既存取引先など)
4. 配布する場面:(例:通路で手渡し、着席商談後に資料と一緒に袋入れなど)
5. イベント開催日:202○年○月○日
6. 社内必着希望日:(※仕分け・検品・搬入のため、開催日の○日前を想定)
7. 希望数量:約○個(※予備の要否:要・不要)
8. 総予算上限:約○円(商品代・印刷代・送料込)
9. 希望するアイテムやNG条件:(例:かさばらない文具系希望、重いものはNGなど)
10. 名入れロゴの要望:(例:社名ロゴ1色、周年ロゴマークなど)
お忙しいところ恐縮ですが、ご回答よろしくお願いいたします!
社内の条件が整理できたら、次は「どのような作り方をするか」を決めます。ノベルティの作り方は、大きく分けて「既製品への名入れ」と「オリジナル別製(OEM)」の2通りあります。
どちらが良い・悪いではなく、スケジュール、予算、作りたいこだわりに合わせて選ぶのがポイントです。
カタログに載っているボールペンやノートなどの既存商品を選び、その表面に自社のロゴや社名を印刷する方法です。
商品の素材、サイズ、形状、用紙の罫線やポケットなど、仕様そのものをゼロから特注して作る方法です。
「今回はロゴを入れた定番品をサクッと手配したいのか」「他社と被らないオリジナル品をじっくり作りたいのか」を社内で確認しておくと、この後の商品選びに迷いません。
関連記事名入れと別製・OEMの違い|ノベルティの作り方を選ぶ既製品への名入れと仕様から作る別製・OEMの違いを、数量・日程・希望仕様から考えます。制作会社に問い合わせるとき、「ボールペンいくらですか?」とだけ聞くと、「数量は何個ですか?」「印刷は何色ですか?」「納品先はどこですか?」と何度も質問が往復してしまい、貴重な時間が削られてしまいます。
最初に以下の条件をまとめて伝えると、制作会社の担当者もすぐに見積を出してくれ、スムーズに話が進みます。
制作会社のWebサイトの問い合わせフォームやメールでそのまま使える文面です。
件名:ノベルティ([検討中の商品名])のお見積り依頼(株式会社○○・担当[氏名])
株式会社○○ [部署名]の[氏名]と申します。
弊社にて[イベント・施策名]用のノベルティ制作を検討しており、
以下の条件でお見積りをいただけますでしょうか。
【お見積り条件】
・希望商品:[商品名・品番、または希望のカテゴリ]
・希望数量:[第一希望数量] 個(※可能であれば [第二希望数量] 個の場合もお知らせください)
・印刷仕様:[印刷箇所] に [1色印刷 / フルカラー印刷]
・ロゴデータ:[Illustrator形式(アウトライン済)あり / 画像データのみ]
・希望納品日:202○年○月○日(必着)
・納品場所:[都道府県・市区町村](※○階への搬入 / 会場直送など)
・包装形態:[個別OPP袋入れ希望 / のし箱希望 / まとめて箱入れでOK]
・現物校正:[希望する / 画面(PDF)確認でOK / 費用・日数を見て判断したい]
【ご相談事項】
・上記の希望納品日に間に合わせるためには、いつまでに発注・入稿が必要でしょうか。
・御社のお支払い条件(請求書払い・月末締め翌月末払いの可否)についてもお知らせください。
お忙しいところ恐縮ですが、ご回答のほどよろしくお願いいたします。
見積金額に納得し、社内承認が取れたらいよいよ正式発注です。ここでも初心者がつまずきやすいポイントを先回りして解説します。
制作会社から指定されたデザイン用テンプレートに、ロゴを配置して入稿します。
印刷前に仕上がりイメージを確認する作業を「校正(こうせい)」と呼びます。
※自分ひとりで「これでOK!」と判断せず、必ず上司やブランド管理部門にも校正図を見せて承認を取ってから印刷GOサインを出すことが、最大の自衛策です!
完成品が会社に届く日の受け入れ準備も忘れてはいけません。 ボールペン1,000本なら小さな段ボール1〜2箱ですが、厚手のノートやクリアファイル、ボトルなどになると、大型の段ボールが10〜20箱以上届くことも珍しくありません。
このあたりを事前に手配しておくと、当日社内でバタバタせずに済みます。
イベントが無事に終わり、ノベルティも配り終えたら、本当にお疲れさまでした!大役をやり切った自分をぜひ褒めてあげてください。
そして、最後にあと1つだけやっておくと、来年の自分、あるいは次の担当者から感謝される作業があります。それが「制作実績と反省点のメモ残し」です。
社内Wiki(Notion、Googleドキュメント等)や共有フォルダに保存しておくためのシートです。
■ ノベルティ制作実績・引き継ぎ記録シート
・施策・イベント名:
・実施日:202○年○月○日
・担当者:[部署名・氏名]
・採用商品:[メーカー名・商品名・品番]
・発注先:[制作会社名・担当者連絡先]
・発注数量:○個
・総額費用(税抜):○円(単価:約○円 / 印刷代・送料込)
・配布結果:
- 配布数:○個
- 残数:○個(※残りの保管場所:社内倉庫○番棚)
・日程実績:
- 見積依頼日:○月○日
- 正式発注・入稿日:○月○日
- 納品日:○月○日
・現場からの声・次回への改善点:
- 良かった点:
- 反省点・次回への申し送り:
・関連ファイルの保存場所:
- 入稿データ(.ai):[社内フォルダURL]
- 見積書・請求書:[社内フォルダURL]
初めての担当者の方から特によく寄せられる疑問をまとめました。
A. 画像データ(高解像度のPNG・JPEG)やPDFがあれば、制作会社側で印刷用データを作成・調整(トレース作業)してくれる場合が多くあります。
手元にIllustratorデータがない場合でも、諦めずにまずは持っているロゴ画像を制作会社に見せて相談してみてください。
A. はい、小ロット対応可能な商品はたくさんあります!
商品によって「最小ロット(最少発注数量)」が決まっていますが、ボールペンやノート、付箋などでも100個以下から名入れ対応しているアイテムは多数あります。数量が少ない場合でも気軽に問い合わせてみましょう。
関連記事ノベルティは小ロットで何個から作れる?向き不向き・費用・名入れの確認ポイントノベルティを小ロットで作る際の基礎知識を解説。単価が高くなる理由や固定費の仕組み、向く商品・向かない商品の基準、印刷方式ごとの費用と注意点を整理します。A. 既製品への名入れ印刷であれば、短納期対応(最短数日〜1週間程度で出荷)が可能な商品もあります。
ただし、選べる商品や印刷方法が限られる場合があるため、納期が迫っている場合は「○月○日までに○個必要」という条件を最優先に伝えて、制作会社に間に合う商品を提案してもらうのが確実です。
A. 多くの法人向けノベルティ制作会社で、月末締め翌月末払いなどの請求書払いに対応しています。
ただし、初回取引の場合は事前審査や前金振込が必要になるケースもあるため、最初の見積依頼の段階でお支払い条件を確認しておくとスムーズです。
初めてノベルティ担当になると、「センスのいいものを選ばなきゃ」「喜ばれるものを探さなきゃ」と商品選びばかりにプレッシャーを感じてしまいがちです。
でも、本当に大切なのは、「誰に、何のために配り、いつまでに何個必要なのか」という社内の外枠を整えること。この外枠さえ決まってしまえば、選ぶべき商品のカテゴリや仕様、予算に合う選択肢はおのずと見えてきます。
そして何より、一人で抱え込まずに信頼できる制作会社に早い段階で相談することが、一番の近道です。
まずは Step 2 の「社内要件ヒアリングシート」を使って、社内の条件整理から一歩を踏み出してみてくださいね。あなたのノベルティ制作が成功することを心から応援しています!
社内の基本条件(数量・納期・大まかな予算)が見えてきたら、実際のアイテム候補を見てみましょう。
エコーマインド株式会社 企画販売部
文具商社エコーマインド株式会社で、ノベルティ・オリジナル企画品を専門に扱う部門です。
文具・販促品の取り扱い経験と法人向けの企画提案ノウハウをもとに、企業の販促・広報・総務担当者に向けた商品選びや制作に関する情報を監修しています。